卓上アクアリウムに挑戦

ローレンツ著「ソロモンの指環」に登場するバランスのとれた小さな水槽は一度は挑戦したくなる代物です。結構昔から真似事をしてみましたがいずれも鑑賞に耐えるものではなかったような。そこで今年から鑑賞に耐える水槽を目的に卓上アクアリウムを立ち上げました。当初はエビやメダカがいましたが、現在は水草のみの水槽となっています。ローレンツのものとはちょっと違いますが、気にしない。

開始当初は照明27W、底砂は塩酸処理した大磯砂、発酵式CO2添加でスタート。生体はエビを飼っていましたが全滅。油膜対策にと入れたメダカも最後は飛び出しでニボシになってしまいました。フタをすれば飛び出しは防げるのですが、どうしてもオープンアクアリウムにしたかったので生体は入れないことに決めました。

メダカ亡き後、やはり油膜が目立つようになりました。特に底床肥料投入直後は確実に出ます。油膜が出ている時は白濁・緑濁も頻発します。そこで油膜が出たら毎日せっせとくみ出しつつ換水を行って取り除いていました。大体数日から十数日続ければ油膜・濁りは治まります。ですが、これが習慣になってしまい現在では油膜・濁りの有無にかかわらず大体毎日換水しています。油膜が無い時はわりとテキトーです。
換水に用いるのは2リットルの計量カップ、1.5リットルのペットボトルの溜め水、プリンカップです。
プリンカップで水面の油膜やゴミをくみ出しつつ計量カップの1.5リットルの目盛りまで水を移します。
そして1.5リットルの溜め水をドボボと注ぎます。そして計量カップに移した水を流しに捨て、1.5リットルペットに水道水を汲んでおしまいです。溜め水の塩素中和は行っていません。全部終えるのに数分でしょうか。

最近の 流れとして、底床肥料投入→油膜・濁り発生・毎日換水(数〜十数日)→油膜・濁り消滅・大体毎日換水(鑑賞に耐える時期・1.5ヶ月前後)→有茎草が白化・底床肥料投入→(戻る)
といったサイクルになっています。有茎草ある限り肥料投入は欠かせないのですが、それに伴う油膜&濁りの発生はどうにかならんもんでしょうか。

頻繁に換水することで水中の養分はかなり低く抑えられているようです(底床肥料投入直後を除く)。普通なら巨大化するネグロウォーターファンが写真のように小さいままなのはこのためでしょう。そのため、コケが全く出ない反面水中の養分に多く依存している水草は枯れてしまうようです。マツモの類やアマゾンフロッグピットが駄目でした。逆に蘚苔類やミクロソリウムは全く平気なようで、こういう水槽には合っているのではないかと思います。
そして現在の様子です。疲れ眼を癒す緑の空間になっており、わりと満足しています。何より、ポンプやフィルターの音が無く、とても静かなのがイイです。発酵式のCO2添加は止めました。頻繁な換水をすれば水道水に含まれているCO2が供給されることがわかったからです。換水直後はグリーンロタラやヤナギゴケから気泡が出ているのが観察されます。完全な止水であるためCO2が逃げにくいこともプラスに作用しているのでしょう。

これまでは水草を増やすことを念頭においてトリミングしてきましたが、ようやく十分な量になってきました。これからはきれいに見せるトリミングにチャレンジしていきます。
2007.12.16追記
上の写真から約5ヶ月経ちました。あんまり変わってませんね…。というのもトリミングをサボったがために水草は伸びまくり、しばらく酷い状態が続きました。ですが奮起して事態の収拾を図ること約1ヶ月、ようやく以前の状態にまで回復したというわけです。そこで大きな教訓を得ました。それは、
”水槽の前に物を置かない”です。
水槽の前に本などを積んだがために知らぬ間に水草ボーボー → ヤバイなぁと思いつつ見て見ぬふり…というのが事の顛末です。


あとは中央やや左のヘテランテラを差し戻しで後ろに移動、前景のグリーンロタラをきれいに生え揃えさせ、苔を巻き直したら一応完成でしょうか。
現在、施肥はハイポネックス活力液とネメデールを換水ごとに少量添加するのみですが、案外これがうまくいってます。底床肥料は最後に入れてから半年ぐらい経ってますが、今のところこれら2種の液肥の添加で何とかうまくいっているようです。そのため底床肥料の使用は見合わせています。入れると油膜&白濁のコンボが来るので入れないですむならとても助かります。
施肥方法を変えてから水槽にわいていたスネールの数が明らかに増えました。どうやら活力液に含まれるカルシウムが影響しているみたいです。最近はちょっと増えすぎて見苦しいので時々潰して駆除しています。
ヒョロヒョロになっていたナミガタスジゴケ(?)は復活してくれました。今までスジゴケの類はいつも2ヶ月ぐらいで枯らせていたのですが、今回は今までで一番いい感じです。

フェニックスモスも復活しつつあります。しかも、以前よりも大きな葉をつけており"らしさ"が出てきました。もう少し伸びたらカットして巻き直す予定です。

ヤナギゴケはボチボチといったところです。もう少し葉が大きくなるととてもカッコイイのですが。これも巻き直さないとちょっときたならしいですね。
モスの類が好調なのは喜ばしいのですが、水槽背面に入れたジャイアント南米ウィローモス(※)が爆発的に成長してちょっと困ったことになってます。水槽背面にモスの壁を作りたかったのですが、いつの間にか側面まで侵食してます。

※購入した店では南米ウィローモスと書いてあったけど、よく見ると違う気がする。ジャイアント南米ウィローモスと呼ばれているやつっぽい。売る側は両者を区別していないのだろうか。
側面のガラス越しに見るとこんな感じです。モスが絞め殺し植物のごとくグリーンロタラに絡みつきつつ侵食しつつあります。絡まれたロタラは光が当たらず死亡。水面まで到達して水上葉を展開したロタラは何とか生き延びてます。どうにかしたいのですが全体的に絡んでしまっているのでヤル気がおきません。これを取り除くにはリセット覚悟で臨む必要がありそう。ヤレヤレだぜ…。
何故か入れた覚えのないリシアが流木から生えてきました。現在、水面に向かって枝分かれしつつ成長中です。換水直後はたくさんの気泡を付けてくれます。それにしても、気泡ってイイですね。

2008.01.09追記
この水槽を立ち上げてから1年が経過しました。維持期間に見合った完成度ではないですけどね。前回の更新からの変更点は、ヘテランテラをうしろに移動、リシアを排除、新たにモスを追加、の3点です。モスを追加したことにより、さらにゴチャゴチャとした雰囲気になりました。作品タイトルは「雑然」に決定です(笑)

維持方法は依然としてほぼ毎日1500cc換水 + そのつどメネデール&活力液を少量添加です。
入れた覚えのないモノ第2弾、シャジクモの1種です。突然1ヶ月前ぐらいからニョキニョキ生えてきました。水草のような感じですが、植物どころか蘚苔類よりも単純な構造である「藻類」の仲間らしいです。頂芽付近が鮮やかなライトグリーンでとてもきれいです。まるで内側から光を発しているかのようです。

2009.10.04追記
その後、緑色の硬い繊維状のコケが発生し、増殖したリシアともども収拾が付かなくなったのでリセットしました。群生する有茎草はキレイでしたが小型水槽ではすぐに水面に達してしまいトリミングが大変だったのも理由のひとつです。

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