フェニックスモス
Fissidens fontanus ?


フェニックスモスという名のものを入手したが、形状から判断するとFissidens fontanus ではないかと思う。F. fontanus は北米原産とされており、外国ではU.S.Fissidensとも呼ばれているようだ。

条件次第では葉の長さが1cmほどになり、コケの中ではかなり大型。 今まで育ててみた感触では弱光化のほうが柔らかい感じ(写真上)になり、 強光下では葉の先端が茶色く変色してしまう傾向があるようだ(写真下)。ただし水質との兼ね合いなどまだわからないことが多い。個人的には上の写真の状態が気に入っているのだが現在アオミドロ状のコケが絡み付いており、わりとヤバめ。さて、どうしたものか…



2010.04.10追記
その後、全滅しました。惜しいものを無くした…。


 
ホウオウゴケ
Fissidens nobilis


極めて大きな葉をつけるコケの1種。幅が約6〜7mmもある。 活着させるため、流木の上に並べて水を張ったタッパーの中に入れて放置した。デスクの本棚の上においたせいか、存在を忘れてしまっていたが数ヶ月経過した時に見てみたら活着していた。全く成長していない。活着はしたので現在は水槽内で育成中だが、成長する気配がない。かなり魅力的なコケではあるのだが、なかなか一筋縄ではいかないようだ。

2006.10.22追記
水没させてから約3ヶ月、ようやく新芽が出てきました。新芽は中心の葉脈のようなところに沿ってポツポツ生えてきています。もとからあった部分は茶色くなって枯れてしまっています。このまま流木にくっついた状態で成長してくれれば良いのですが、活着力が弱まってきているみたいなので巻き直しが必要っぽいです。

2007.03.10追記
図鑑などで調べたところホウオウゴケで間違いなさそうです。

2008.01.26追記
その後巻き直してしばらくは成長を続けた(写真)が、その後コケにまみれたため、エビ水槽解体を機にやむなくザリガニの餌とした。

 
ヤナギゴケ
Leptodictyum riparium


採集モノなので正確な名前はわからないが、おそらくヤナギゴケだと思う。葉は被針形で中肋は発達しており、活着性あり。明るいところで育てると葉が大きくなり、成長も速い。環境によっては鮮やかな緑になり、葉が大きくて見ごたえがあるので群生させるとなかなか美しい。

このコケは環境によってはリシアのように気泡を付ける。気泡をつけるコケといえば「バブルモス」というコケが流通しているが、このコケのことなのだろうか?情報求ム。

2007.03.10追記
図鑑などで調べたところヤナギゴケで間違いなさそうです。
そして、タッパーの中で維持していたものから胞子体が生えてきた。入れる水槽がなくてとりあえずキープしていたのだが、うれしいサプライズだった。

2007.04.04追記
その後、水中で育てているものからも胞子体が出てきました。

 
ホソバミズゼニゴケ?
Pellia endiviifolia ?


透明な濃緑色を示す苔の1種。採集ものなので断定できないが、葉状体や胞子体の形からホソバミズゼニゴケもしくはその近縁種であると思われる。

リシアのようにY字型に分岐しながら成長する。低光量でも枯れないが、ひょろひょろとした貧弱な容姿になる。水に沈むが活着力がほとんど無いと思われるので、うちではリシアネットを使用している。また、流れの強いところで育てると、綿状の仮根を葉状体の裏から出し、それにゴミが絡んでとても見苦しかった。

本種は川べりの泥地に生えており、一部は水中で生育している。泥の中に綿状の仮根をしっかり張り巡らせており、その後の増水にも耐えている。

 
オオカサゴケ
Rhodobryum giganteum


かなり大きい葉を輪生させる苔で、直径2cmくらい。軸のような部分はゴワゴワしていて結構硬い。この苔は月刊アクアライフの苔特集で水中育成が可能との記述を読んだ数日後、とある行事で行った山中で偶然発見した。(写真) この出会いは運命かも。

とりあえず底床に植えて約3ヶ月、アオミドロの猛襲にも負けずに新芽を展開してくれました。低光量でも一応育ちます。新芽は傘の付け根から生えてきてます。大きく育った新芽なら独立させても大丈夫そうなので、現在は新芽部分を切り離して底床に植えて育成中。


2007.05.11追記
勢力を拡大するグリーンロタラに飲み込まれてしまっていたが、先日ひょっこり頭が出てきているのを発見した。なんだか極小の有茎草みたいな姿になってしまっており、本来の美しさが微塵も感じられない。どうにかして大きく育ててみたいものだ。

 
ナミガタスジゴケ?
Riccardia chamedryfolia ?

このコケはショップで"ナミガタスジゴケ"の名で売られていた。しかし本当にナミガタスジゴケ(R. chamedryfolia)なのか確証がないため"?"を付けてます。上のスジゴケsp.と比べると葉状体が薄く、太葉リシアが平面的に成長しているような感じだ

上の写真は流木に釣り糸で巻きつけてから約2ヶ月経過した状態。水草の陰になるところが最も成長が早く、ようやく釣り糸が隠れてきました。逆に光が強く当たるところではイマイチです。

 
モスsp.タイ
Riccardia sp.

これもおそらくスジゴケ属の1種だが、学名ははっきりしていないようだ。実際何者なんでしょうかね?

育成してみた感じでは光の強弱にかかわらずキレイに成長してくれている。葉状体にはけっこう厚みがあり、これに比べると上の"ナミガタスジゴケ?"はやや貧弱に感じられる。なお、育成環境よっては葉状体が細長くなるなど、形状が変化に富むようだ。

 
スジゴケの1種
Riccardia sp.

このコケも採集モノで、川沿いの石に活着していた。おそらくモスSP.とかプレミアムモスの名で流通しているコケと同じ属(Riccardia 属)だと思う。調べた限りではナミガタスジゴケもしくはミヤケテングサゴケのどちらかとにらんでいる。 写真は流木に釣り糸で巻きつけ、強光下にて約1ヶ月経過した状態。モコモコと成長していい感じになってきました。

2007.07.07追記
1月ほど前より下からジワジワと溶けるように枯れ始め、消滅しました。残念です。

 
リシア
Riccia fluitans






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明るいグリーンを示すコケの1種。和名は鹿角苔(カヅノゴケ)というらしい。

CO2を添加すると気泡が出るが、発酵式では安定してCO2を発生させるのが難しく、なかなか気泡を出させることが出来なかった。CO2は添加しなくても成長するが、肥料切れには弱いと思われる。写真のリシアは下の光があまり当たらないところの色が濃く少し透明感がある。沈水型ってやつかと思ったが、それを確認する前に枯れて消滅した。

下の写真は自生しているリシア。幅1メートルくらいの小川の岸に生えていた。このような泥地のほかに、コンクリート製の石垣状の壁にも付着していた。しかし、その後の増水により全て流されたらしく、それ以来この場所では見ることはなくなった。

2010.04.10追記
現在は水上で育てています。水中の時よりもちょっとだけ平べったい感じになりました。

 
ウィローモス
Taxiphyllum barbieri


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やや濃いグリーンを示すキャラハゴケの1種。うちでは長さ1cmほど切ってから流木などに釣り糸でしばって使用している。

本種は寒さに強く、室内なら無加温で越冬できた。また、ザリガニは本種を好んで食べる。そのため、トリミングの際に余った分は、ザリガニたちのおやつになっている。

2006.02.05追記
エビ水槽に入れているウィローモスが胞子体を出し始めた。水温が大体15℃くらいの時に18℃設定のヒーターを入れた直後だったことから、春が来たと勘違いしたのかも。

 
南米ウィローモス
Vesicularia montagnei


条件によっては3角形のきれい茎葉体を展開するコケの1種。うちでは、流木に釣り糸でしばって使用している。

上の写真は高光量・肥料添加で育てたもので、きれいな3角形になった。下の写真は上のものに比べると低光量・肥料なしで育てたもので、ただのウィローモスとそんなに変わらない形状になっている。(^.^;)

どうやらきれいな3角形にさせるにはそれなりの環境が必要みたいです。

2007.07.07追記
学名を修正しました。現在のところV. montagnei とするのが一般的みたいです。

 
ジャイアント南米ウィローモス?
学名不明

普通の南米ウィローモスに似ているが、名前の通り大きく育つらしい。

TWO-Pはこの苔を南米ウィローモスとして購入したのだが、育ててみると明らかに形状が違っていた。この苔は成長が早く頻繁に分岐するので、トリミングをサボるといろんなところに絡み付いて…うっとおしい。収拾がつかなくなる前にカットしろということですね。

 
タイ産ウロコゴケ
学名不明

かなり大きめの葉をつけるコケの1種。茎葉体は最大で幅4mmほどになる。色はやや濃いグリーン。

これも釣り糸でしばって使用しているが、他のモスのように1〜2cmに切って使用したらそのまま枯れてしまったことがあった。切らなかった方はそのまま成長したことから、レイアウトする際あまり細かく切らない方が良いと思われる。ある程度の長さになると、ところどころで分岐しながら成長する。なお、活着力があるのかは不明。

これもインターネットオークションで入手した。

 
パンタナルモス もしくは モスsp.パンタナル
学名不明

やや大きめの葉をつけるコケの1種。色はライトグリーンで、レイアウトするとウィローモスよりやわらかな感じが出る。現在、水面直下の光が強いところで育てており、ほとんど分岐することなく直線的に成長している。

うちでは長さ1〜2cmに切ってから流木に釣り糸でしばって使用している。活着力があるのかは不明。

ショップで見たことはなく、インターネットオークションで入手した。

 
フレイムモス
学名不明


上に向かって成長する姿が炎を髣髴させることからフレイムモスと呼ばれているらしい。普通のモスのように流木に釣り糸で縛り付けてから2週間、新芽が上に向かって成長し始めた。今後どのような姿になるのかとても楽しみ。

下の写真は流木の上に刻んだ本種を乗せ、水を張ったタッパーで維持しているもの。気温は26℃前後で、毎日1回メネデールとハイポネックス活力液を添加した水を霧吹きしている。どうやら活着性はあるようで、10日目には活着しているのが確認できた。水上でも上に向かって成長しているが、これは他のモスと同じです。

本種は2007年末にシンガポールから入荷したらしい。本種を含め、シンガポールで流通しているコケについては以下のサイトがとても参考になった。水生コケ全般についても有意義な情報が多い。(参考サイト)

 
ホーランドモス
学名不明

大きめの葉をつけるコケの1種。1つ1つの葉が肉眼で確認できるほど大きく、底床に植えるなどして極細の有茎草みたいに扱えそう。名前からするとオランダ産のコケなんでしょうか?見た目はカワゴケに似ている。

育成は簡単とのことだったが、換水頻度を上げた直後に調子を崩し、最後はアオミドロに埋もれて消滅してしまいました。

これもインターネットオークションで入手。

 
マナウス産ウィローモス
学名不明


モスsp.パンタナルよりもわずかに小型の葉をつけるコケの1種。葉が密に並ぶせいか、テープ状のウィローモスといった感じ。色はモスsp.パンタナルよりもやや濃いグリーンを示し、ほとんど分岐することなく成長する。

本種も、長さ1〜2cmに切ってから流木に釣り糸でしばって使用している。活着力があるのかは不明。

これもインターネットオークションで入手した。

2007.03.05追記
うちでは消滅していたかと思われていたマナウス産ウィローモスだが、普通のウイローモスに混じって1本だけ生き残っていた(写真右側)。マナウス産は葉が楕円形で、色が濃いことがわかる。

 
モスsp.パプア
学名不明





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大きめの葉を互生させ、大きい葉は長さ3〜4mmになる。かなり伸びても分岐はしていないので、おそらく分岐しないコケなのではないだろうか(※)。 そのため密生感を出すには細かく刻んで縛る必要がある。このコケは伸びるに従ってかなり多くの仮根を出すので、爽やかな水景にはあまりなじまないような気がする。この仮根の出しっぷりはケチョウチンゴケっぽい。

かなり流通量が少ないが、丈夫なコケであり劣悪な環境でも枯れることは無かった。

2007.07.28追記
※うちにあるもののうち1本が分岐した。


2010.04.10追記
現在は水上で育てています。水中の時よりも葉が厚くなっています。仮根の出しっぷりは相変わらずで、モジャモジャと密生させています。

 
アメリカンスプライト・ベトナム または ベトナムスプライト
Ceratopteris thalictroides "VIETNAM"


細かい葉をつける水性シダの1種。浮かせても底床に植えても育成できるが、植えた方がよく成長している。植えた場合かなり大型化するため、小型水槽ではしだいに持て余すようになった。

本種は新陳代謝が早いのか、古くなった葉が枯れ始めるのが速い。そのため、頻繁に古い葉を除去する作業をする必要があるのがとても面倒。

茎の途中から生えてくる子株を分離することで容易に増殖できる。まだ親にくっついている状態の子株は肥料切れに弱いと思われ、貧栄養化では白化して枯れてしまうので液肥の添加が有効と思われる。浮いた状態の本種は、細かい葉や根が複雑に入り組んだ状態になる。そのため、プラティ水槽では生まれたばかりのプラティの稚魚の良い隠れ家となっている。

2006.03.20追記
タッパーなどに1〜2cmの深さになるように水を張り、横倒し状態で浸して管理すると水上に葉を展開し始める。そして、水上葉を数枚展開してから赤玉土に植え替えた。水上葉は水中葉とあまり変わらない形をしている。なんとなく、人参の葉にそっくり。

 
ウォータースプライト
Ceratopteris cornuta


ウォーターウィステリアに似た葉をつける水生シダの1種。近縁種のベトナムスプライトよりも葉の幅が広いので、ライトグリーンの葉色と相まって柔らかな印象を受ける。

浮かせても底床に植えてもぐんぐん育つので水質浄化能力は高そう。低光量・施肥なしといった劣悪な環境でも枯れることがないので、相当丈夫な水草なのではないかな?しかし、だんだん巨大化するので、小型水槽でレイアウトに用いると最終的に持て余すと思う。

大きめの葉をちぎって浮かべておけば、そのうち子株が生じるので増殖は極めて容易。

ベトナムスプライトと同じく古い葉がどんどん茶色くなって枯れていく。そのため、きれいな状態を保つには古い葉を取り除くという作業が必要なのが面倒。

2007.07.07追記
現在、オープンアクアリウムにしている水槽からウォータースプライトの水上葉が伸びてきている。水中葉に比べると細くて角ばった感じ。

 
ミクロソリウム・ウィンデロブ
Microsorium pteropus var. Windeløv


水生シダの1種で、葉先が分かれる形質を固定した改良品種らしい。活着性があり、流木などに輪ゴムでくくっておくと1ヶ月ほどで活着する。本種は低温にも強く、室内なら無加温で越冬できた。

本種を含む水生シダ類には水性シダ病という病気があるらしい。水温が上昇すると発生しやすいらしく、茶色く変色して枯れてゆく。うちの水槽でも1度だけ夏に発生し、気づいたころにはほぼ全部枯れてしまっていた。おそらく、発症してから5日間ぐらいで枯死したと思われる。(T_T)

2006.05.15追記
またしても水生シダ病らしき症状が発生しました(下の写真)。気温もたいして高くないこの時期にどうして?と思いましたが、フィルターをチェックしてみたところプレフィルターがかなり詰まっており水流がかなり弱くなっていました。「シダ病は水がよどむと発生しやすい」ということをヒシと実感しております。

なお、今回の患部は葉が明るい茶色でしたが、前回のシダ病はもっと焦げ茶色っぽい色に変色していたような気がします。シダ病とされる症状にも何種類かあるのでしょうか?