(おまけ) プリンカップ飼育法
ここでは、クワガタの飼育などに用いられているプリンカップを用いた飼育を紹介します。これは本種の共食いを防ぐために個別飼育を試みた時に行っていた方法です。実際、本種はあまり共食い傾向が低かったのでこんな方法をとる必要はありませんでしたが。この方法は濾過が立ち上がるまでが面倒ですが、立ち上がってしまえばほぼメンテナンスフリーになります。また、立ち上げ初期に与える餌を制限せざるを得ないため、成長が遅くなります。早く大きくしたいならば、広い環境でのまとめ飼いがよいと思います。

飼育に用いているプリンカップは容量860mlのもので、ふたは用いません。このサイズのプリンカップは適度に水量があるので使いやすいです。これに、他の水槽の濾材をゆすいで濁った水を入れるなどして、なるべく多くのバクテリアを移植します。

これに、ザリガニと水草、レッドラムズホーン数匹を入れます。水草は、餌と水質浄化の役割があります。メインで用いるのは各種浮き草とリシアで、たまにトリミングで余った水草を入れています。浮き草とリシアは増殖速度が速いのであまり減りませんが他の水草はだいたい食べつくされます。レッドラムズホーンは残餌処理とプリンカップの壁面の掃除をしてくれます。たまにザリガニに捕食されてしまいますが、大きめのラムズホーンを用いれば捕食されにくいみたいです。また、サンゴのかけらや貝殻はあってもなくても濾過には影響しないみたいですが、あったほうがレッドラムズホーンの成長がいいです。これを、ある程度明るいところにおいて管理します。うちではレースカーテン越しの窓際においています。直射日光が当たるところは急激に温度が上がってしまうので×です(水量が少ないため)。立ち上げ初期に餌はかなり少なめにします。週に1回、らんちゅうベビーゴールドを1〜2粒もしくはひかりキャット1/4粒ぐらいです。

この餌量でも水草を食べて生きています。水草が無くなったら適宜追加します。これでも最初は水が悪くなります。レッドラムズが水面付近に集まってきたら水が悪くなっている証拠なので1/3ほど換水をします。この時、底に堆積しているもやもやしたものを捨てないようにします。おそらくこれがバクテリアのコロニーとなって生物濾過を担うようになるのだと思います。このように管理していると徐々に水換えをする間隔が長くなってゆき、最終的には足し水のみで管理できるようになります。この状態になれば様子を見ながら徐々に餌量を増加でき、最終的にはひかりキャット1粒を週3回…ぐらいの餌量でも水はきれいなままです。また、濾過が立ち上がってしまえばレッドラムズホーンはいなくてもいいみたいです。
立ち上げ途中には左の写真のように緑色に濁ることが多いです。いったんこのような状態になるとなかなか解消されませんが、濾過が立ち上がっていて水が透明なカップがあればそこからスポイトなどを用いて底の堆積物を移植すると濁りが解消される場合が多いです。
※2007.08.31追記
先日こんなに水位深くて大丈夫?と尋ねられました。この飼育方法を行っていたのは水温が低い時期で、それ以来この飼育方法は行っておりませんが今思えば水温が高い時期にこの水深は危険だと思います。水温が高くなれば溶存酸素が低下しますので、高水温期は水位を下げるか、水面まで出て呼吸ができるような足場を設けたほうが良いと思います。水面まで出ることができれば酸欠による死は免れることができます。しかし水面まで出なければマズイという状況はザリガニにとって相当なストレスでしょう。

昔ザリガニの飼育方法として浅く水を張り、陸地を設ける…というのがありましたが、フィルターやエアレーションが無い場合にはあながち間違った飼育方法じゃないな、と感じます。この場合の水深と陸地は水面まで出て呼吸するためだったのではないだろうか?と思えてなりません。加えてアメザリの強健さがこのような飼育を可能にしていたのではないでしょうか?もちろんこの方法ではすぐに水質が悪化しますし、フィルター等を用いた飼育がザリガニのためには良いと思います。