最近のアメザリ
2006.11〜
不定期更新です。

KAZ氏の白ザリと交接したものの、いっこうに産卵しないアメザリ♀。これは交接失敗だったかも?ということで、別の白ザリ♂がペアリングのためにうちにやってきました。発送中のビニール袋の中で脱皮してのけるほどのつわものです。脱皮後なので十分に栄養を摂らせたのち、レッツペアリング!!

んで、♀の水槽に投入したところ、♀そっちのけでウィローモスを食べ始める白ザリ♂。色気より食い気??
♀は♂の存在を感じ取ってか時折ハサミを揃えて硬直するなど交接を受け入れる姿勢を見せるも、♂は全くやる気なし。その後何度も試してみたものの、結局交接しませんでした。こうなると♂のForm※が気になるところです。仮にForm2だとしたら交接できませんから、♂の行動も理解できます。


※アメザリが属するアメリカザリガニ科の多くは繁殖可能なForm1と繁殖しないForm2があり、成熟した個体は脱皮するごとにForm1とForm2が交互におとずれる(注1)。これをCyclic dimorphismもしくはForm alternationというらしい。通常、春の脱皮でForm1になり、秋の脱皮でForm2になるが、飼育下で季節感のない温度管理をするとFormがバラバラになってしまい全く交接しないといったトラブルを引き起こすとか。

2007.04.27追記
(注1)フロリダハマー, アレニーの♀では脱皮を挟み連続で産卵したことがあったことから、少なくともP. alleni の♀においては必ずしも交互ではないだろう。

♂のFormを判別する方法を調べてみたところ、Procambarus属の♂における各Formの特徴が複数の論文で散見されました。それは、Form1の♂は(1)交接肢(第1遊泳肢の方)の先端がキチン化して硬くなり、(2)第3,4歩脚座節の突起が発達するとされていました。あとハサミがでかくなるというのもありましたが、これはよくわからないのでパス。

→その後交接したのでこの個体はForm1だったみたいです。やはり第3, 4歩脚座節の突起がポイントでしょうか。交接肢先端のキチン化については脱皮殻を顕微鏡などで拡大してみないとわかりにくいかも。特に白ザリは全てが白いので形態がわかりづらいです。

そうこうしているうちに、だんだん水温が下がってきてアメザリ♀が脱皮しました。脱皮に伴い、バーンスポットがリセット、そして今シーズン中の繁殖の可能性もパージされました…。
(TヘT)
早く春が来て欲しいです。
脱皮後はいつもより食欲があるらしく、今まで見向きもしなかった浮き草をガツガツ食べています。うちにいるザリガニのうち、逆さになりながら浮き草を食べることができるのはこのアメザリだけです。なかなか器用やね。
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12月中旬、再び交接にチャレンジ。

♀は前回の脱皮でForm2になったと予想していたので、だめでもともとって感じで試してみました。♀の水槽に♂を投入したところ、今回も♂は受け入れ姿勢をとる♀を無視。今回もダメか…と思っていたら♂が急にやる気を見せて交接してくれました。ナイスガッツ!!

大体1時間ぐらい交接していました。


交接中の♀の尾扇に目をやると、あれま〜セメント腺が発達してますね。全然気づかなかったです。♀は気温が下がると脱皮してForm2になると思ってましたが…ま、いっか。ちなみに交接したのは12月に入ってからです。うちのザリガニはすでに季節感がなくなっているんでしょうかね…
産卵前日の♀の尾扇。セメント腺がうっすら透けて見えます。
交接から1週間後、黄色い卵を抱いているのを発見。無事に孵化してくれるでしょうか。

抱卵してから1週間後、卵の色がアズキ色になりました。それにしてもずいぶんいっぱい産んでくれたものです。
抱卵してから、約40日後くらいから、一人歩きする稚ザリが確認できるようになりました。稚ザリの食欲はすさまじく、まるで蟻のように集団でミナミヌマエビを捕食したりしてます。(゚Д゚;)

体長が1cmを超えたあたりから、徐々に色がついてきました。現在のところ、大まかに分けるとオレンジっぽいのと灰色っぽいのがいます。写真は比較的濃いオレンジの個体。


この個体は灰色っぽいです。現在まだウジャウジャいるので、もう少し数が減ったところで選抜しようと思ってます。

<続く>