◆枯葉◆


摂食中のミステリー稚ザリ。フンがポロポロと…

ザリガニの1種レッドクロウCherax quadricarinatus は死んだ植物体の大部分を占めるセルロースの一部を分解する酵素を生合成しているという報告があります。そのため、このザリガニは流木や枯葉を体内である程度分解できてるみたいですが、他のザリガニも同様なのでしょうか?自然下では主にデトリタスを食べているといわれるザリガニの食性を考える上でも興味深いですね。話がそれましたが、どの程度消化吸収しているかはともかく与えるとけっこう食べるので、うちではエサのバリエーションの1つに組み込んでます。ザリガニ以外では淡水コシオリエビやカワニナも食べてます。
 

厚みと大きさがGood
枯葉といってもいろいろありますが、気に入っているのが「枇杷の枯れ葉」です。枇杷の葉は厚みがあるので水中に投入してもなかなか崩れません。大きさは大きい物で長さが10cm以上あるため、換水時には手軽に取り出せます。写真は採集してきたばかりのもので、エサとして使用するには漬け込みが必要です。
 

普段はベランダの日陰に置いてあります

漬け込むと水にアクが出てきますので、大体週1ぐらいの頻度で水を替えています。拾ってきた枯葉がすでに長期間風雨にさらされていたものならばそれほどアクは出てきませんが、落ちて間もない枯葉だった場合水が腐敗して悪臭を放ちます。長い間風雨にさらされた落ち葉は比較的黒い色をしている(上の写真では中央のヤツ)のでなるべく黒っぽい落ち葉を選べば悪臭を放つ事態は避けられます。ちなみに悪臭を放っているような枯葉でも程よく柔らかくなったものならばザリガニたちはバリバリ食べます。こればっかりはザリガニの気持ちが全くわかりません…

 

重力に逆らえるぐらいの硬さがある
漬け込み直後のものはこんな感じです。この状態のものはあまり食べてくれません。しばらく漬け込むと…
 

濡れた新聞紙みたいな柔らかさ
フニャフニャのボロボロになります。見た目は悪いですが、これぐらいのものが食いつきがいいです。
 

手元にストックしておくと便利
程よい柔らかさになったものから取り出してプリンカップに移し、必要時には手軽に与えられるようにしています。
 
←枇杷の木

TWO-Pが住んでいる岐阜では庭木として植えられています。かなり少ないですが…。昔住んでいた名古屋では普通に見られる木で、当時通っていた中学校にもたくさん植えられていました。
 

フタを密閉したらコックから泡が漏れ出しました(泣)
2008.02.16追記
枇杷の枯葉だけではいかんせん供給量が少なすぎなので、他の種類を試してみることにしました。とりあえず国内・海外でも使用例が多いブナ科の枯葉のうち、無難そうなクヌギ&アベマキの葉を拾ってきました。枯葉を水に漬け込むと発生する腐敗臭(たぶん硫化水素)を抑える目的で、枯葉を漬け込んでいるキャンプ用水タンクにエアレーションを施しました。
 

一応、このコックでエアー量の調整もできます
水を出すコックからエアチューブを突っ込んで使ってます。こうすることで静かになりました。

ちなみに、同様にして携帯用のエアポンプと接続すれば、車で魚等を生かしたまま輸送する時にも使えます。釣具やさんで売っている輸送専用のタンクより安いのがメリットでしょうか。
 

ウイスキーっぽい木の香り
08年2月16日現在で約3ヶ月ほど漬けていますが、今のところ腐敗臭は発生していません。季節が冬なのも効いているかも。漬けた水は写真のようなブラックウォーターになりました。ドイツでは枯葉から出るフミン酸がバーンスポットを予防するといわれています。どれほどの効果があるのでしょうね?水が茶色くなってしまうのが嫌なので今のところ使う予定はありません。

1ヶ月ほど漬け込んでから与えてみたところ、大きめのザリガニは食べてくれましたが、稚ザリはあまり食べてくれませんでした。
 

夏には堤防で異常繁茂してました
稚ザリが食べられてしかも大量に採れる枯葉はないものかと思い、試したのがクズ。クヌギ・アベマキの枯葉よりも薄いため食べやすそうです。堤防にいっぱい生えていたのでたくさん手に入りました。
 

とりあえず1週間ほど漬け込んだあと与えてみたら食べてくれました。薄い枯葉なら他の種類でもいけるかもしれませんね。

 

2008.04.26追記
冬の間は近所の川に生えている水草が枯れてしまうので採ることができません。そのためシェルター兼エサとして枯葉をたくさん使いました。ストックがかなり減ったので再び枯葉を漬け込むことに。

ドイツのザリガニ本には「枯葉は冷凍保存が良い」と書いてありましたので漬け込み用の水タンクに残っていた枯葉はジップロックに詰めて冷凍庫へ。最初冷凍はチョットやりすぎかと思いましたが、実際やってみると意外とコンパクトになるので結果的に良い方法だったと思ってます。
 

約5ヶ月間枯葉を漬け込んだ水はまるでコーヒーのような色になってました。まさにブラックウォーターです。ワイルドベタとか飼ってれば利用できたかもしれませんけど、今のところ使い道がないので捨てました。

2009.09追記
最近は毎週水を替えています。使用する水はバクテリアのことも考えて換水の捨て水を使用しています。なんで変えたかというと、漬け込み開始後しばらくたって茶色い色素が出なくなるぐらい経過した枯葉をよく食べてくれたからです。茶色い色が出なくなったことと嗜好性が増したことは関係ないかもしれませんが、とりあえず茶色の色素をさっさと抜いてしまおうということです。
 
今まで知らなかったのですが、近所にアベマキが大量に生えていました。そのため今回はアベマキ100%です。とりあえずスーパー袋2つ分拾ってきて漬け込みました。これで秋まで持ってくれることでしょう。


→最近はアベマキ100%です。年中使用しています。

16リットルで300円くらい
2009.09.25追記
最近は枯葉の使用量が多く、たびたびストックを切らしてしまうことがありました。そこで園芸で余った腐葉土を使用してみることにしました。この腐葉土はカブトムシにも与えていたので農薬等の心配はなさそうです。
 
細かい破片をフルイで除いたら量が約半分になりました。写真はフルイがけ後の腐葉土です。葉っぱだけでなく枝も入ってました。
 
とりあえず水に漬けてエアレーションしてみると予想通り水が茶色くなってきました。2〜3日ごとに水を交換したところ10日前後であまり茶色にならなくなりました。
 

延々と食べ続けてフンの山を築く個体もいました
与えてみるとけっこう食べてくれました。特に稚ザリの反応がよかったです。枝は葉よりも人気がない感じでしたが、最終的にはほとんど食べてくれました。ただ、腐葉土自体の破片が細かいので、底床掃除時の排水パイプが詰まるといった問題が生じました。また、TWO-Pは投げ込み式フィルターしか使っていないので問題ありませんでしたが、フィルターによっては破片が詰まってしまうのではないかと思います。

最近では底床掃除時には食べきっている量を与えることでパイプの詰まりを回避しています。食べきってくれれば、ほぼ粉末状になりますので詰まりなく排出できています。