Prosopocoilus squamilateris
スクアミラテリスノコギリ
インドネシア・カリマンタン島・ムラトゥス山
F2

 

とりあえず累代を目指します。
♂♀ともに羽化後40日ぐらいで後食を開始しました。後食開始後45日目に、いつも通りミズゴケを敷いたミニプラケで1週間同居させました。交尾は確認できず。

産卵用ケージは3リットル米びつ + 1.6mmふるいアンテマット +ベランダで 1年ぐらいマットに埋めておいたコナラ(やや軟) + 3ヶ月くらいカワラ菌糸に埋めておいたコナラ(堅) です。材は両方とも半割してあります。これを部屋の1番寒いところ(22℃前後)で管理。

数日後、ケージの底には大量の卵がありました。マットにも産むんやな…と思っていましたが、その後卵が消えていきました。これはおかしい!と感じたので♀を回収して再度♂と同居させたところ、今度は交尾こそ確認できなかったものの、写真のようなメイトガードっぽい行動を確認できました。これで無精卵の可能性は排除できるはずです。1週間同居させたあと、再度産卵用ケージへ。

♀を投入してから34日後、割り出しました。割り出し時には気温が上がっており、25℃ぐらいになってました。多くの幼虫がマットにおり、ほとんどが2齢になっておりました。写真の材は左がマット埋めコナラ、右がカワラ菌糸埋めコナラです。
マット埋めコナラには多数の幼虫が穿孔しておりました。産卵ケージを組む時点では材が黒ずんでいたので、この材は期待できないなーと思っていましたが予想外の結果でした。
一方、カワラ菌糸埋めコナラの方はボーズ。こっちの材が本命だったんですけど。虫の気持ちはわかりませんね…。ちょっと堅すぎだったのでしょうか?

最終的に幼虫40数個体を回収できました。幼虫はカワラとマットで飼育中です。親はまだ元気ですのでもう1回産卵させるかもしれません。

2009.12.26追記
回収した幼虫は数個体を26℃前後で飼育し、残りは全て19℃で飼育しました。その後26℃の方が少しだけ早く羽化しましたが、大体半年くらいで全個体が羽化しました。

写真は縦に蛹室を作った個体です。♂2個体がこのような蛹室を作りました。
念のため蛹を取り出してみました。全然ワンダリングをしないのでこのまま死んでしまうのかと思いきや、普通に羽化しました。他の普通に蛹室を作った個体にもワンダリングをほとんどしない個体がいましたので、この種はあまりワンダリングをしない種なのかもしれません。
19℃&発酵マットから最大の♂31mmが羽化しました。鞘羽のツヤが実に美しい。また、本種は非常に長生きで、次世代が羽化し始めたときに親世代のペアはまだ生きていました。

最終的に数ペア取れましたので 次世代は安泰っぽいです。羽化した成虫はそのまま19℃で保管しました。その後多少のばらつきはあるものの、羽化後2〜3ヶ月で活動を開始し、後食を開始しました。
♀。♂と同じく毛が生えています。種小名のsquamilateris というのはフチに生える毛のことを指しているらしいです。

<続く>