Prosopocoilus inclinatus inclinatus
本土ノコギリ
岐阜県各地
WILD

灯火採集で♀のみGET

灯火採集にいくと必ず採れるものの、昨年はなぜか♀しか採れなかった。♀だけじゃ標本にしてもイマイチだなぁ…と思ったのでブリードしてみることにしました。
ケージはいつもの100均ケースで、マットは他クワの食いカスマットを使用しました。マットは水分大目でカチンカチンに詰め、そこに♀を3個体投入。
すると設置直後からケースの側面や底面に卵が産みつけられ始めました。しかもかなりのペースで卵が増えていきます。♀3個体は多すぎだったっぽい。
卵は1週間毎に回収し、食いカスマットで管理しました。数が多いため、3リットルのタッパーでまとめ飼いです。温度は大体26℃前後で管理。

卵を回収後約1ヶ月で2齢幼虫になり始めました。この時点で♂♀判別し、♀幼虫は3リットルタッパー+食いカスマットのままでまとめ飼いです。一方♂幼虫は大型化を狙ってカワラ菌糸で育てることにしました。
♂幼虫は菌糸ブロックをそのまま食いカスマットに埋めたケージでまとめ飼いすることにしました。このズボラな飼育方法は使い勝手がいいので最近良く使ってます。これも26℃前後で管理。
そして投入から約3ヶ月後、菌糸ブロックを入れたケージを暴いてみました。菌糸を食している幼虫は尻の部分まで黄色をしておりなんだかカシューナッツみたいです。確か10数個体入れたのですが何故か5個体に減ってました。しかも1個体はどう見ても♀。ま、♂♀判別が未熟なTWO-Pにしては上出来でしょう。

その後♂とみられる4個体の幼虫は860ccプリンカップにて食いカスマット+カワラ菌糸の塊で個別飼育することにしました。アカアシのときと同じく、菌糸が無くなったら適宜追加するという方法です。一方1個体の♀幼虫は他の♀幼虫と同じケージ(3リットルタッパー+食いカスマットでまとめ飼い)に投入。
採卵から約7〜8ヵ月後、♀が蛹化し始めました。まとめ飼いが影響したのか全体的に小型です。
そして羽化…ですがすでに体表をダニが徘徊してます。おそらく蛹の段階で待機していたダニが乗り移ってきたのでしょう。

観察を続けるとダニは集合し始めました(マウスを乗せると拡大します)。なんだか見てるだけでかゆくなってくる。

この時いたダニ↓
(クリックで拡大)
♀の蛹化とほぼ同時期に4個体中3個体の♂幼虫が蛹になり始めました。しかしかなり小さく、菌糸を与えていれば大きくなるって訳でもないようです。

残りの1個体だけがスクスク成長して写真のような大き目の蛹になりました。採卵から約9ヶ月が経過しています。羽化が楽しみ。

そして無事に羽化!これぞノコギリって感じのプロポーションですが大きさは55mmほどで、ノコギリクワガタとしてはそれほど大きい方ではありませんでした。蛹の段階ではけっこう大きいんじゃないの?と思ってワクワクしていたのですが…。最近小さなクワガタばっかり見ていたため大きく感じられただけっぽい。

新成虫は長期間休眠するらしいのでブリードにはまわさず標本にすることにしました。しかし、もうちょっと大き目の♂が欲しいので今年もやるかも。

<ひとまず終了>