Prosopocoilus forceps forceps
フォルケプスノコギリ
インドネシア・スマトラ島・ベンクール
WILD

オークションで1ペア購入

いわゆるユミツノ系と呼ばれるグループに属するノコギリクワガタの1種。ユミツノ系ノコはアフリカ大陸〜東南アジアに分布しており、本種はインドネシア・マレーシアに分布しているらしい。種小名の由来は鉗子(=forceps)のような大顎を持つからでしょう。とてもわかりやすい。
それにしても独特な形をした大顎です。それに加えて頭部と胸部が大きいのでナウシカとかに出てきそうな、ある種の禍々しさが感じられます。
今回購入したのは野外品だったので♀は交尾済みと判断し、♀のみ産卵用のケージに入れました。ケージは一般的には小ケースと言われるサイズのプラケです。まず底から約3cmほどマットを固詰めし、産卵木を載せた後マットでほぼ完全に埋めました。用いたマットは月夜野きのこ園さんの「きのこMAT」をフルイにかけたものを用い、材への加水は軽めです。このケージを大体26〜28℃で管理しました。
産卵用のケージに入れてから約1ヶ月後、♀が死亡しました。その後1ヶ月ほど放置したのち割り出してみたところ、2齢幼虫を6個体、1齢幼虫を5個体回収できました。回収できた幼虫のうち約半分は材とマットの境目からで、残り半分は材の中に穿孔してました。
回収した幼虫はマット飼育のグループとカワラ菌糸で飼育するグループに分けて育てることにしました。マット飼育には産卵に使ったのと同じくふるったきのこMATです。カワラにはうまくなじんでくれれば大きく育ってくれると思うのですが、結果やいかに?
2007.10.06追記
割り出し後約2ヶ月が経過したところで幼虫をチェックしてみました。その結果、カワラ・マットともに約半数が消滅しておりました。消滅した個体が入っていたカワラカップは写真のようにカワラ菌糸が著しく再生しており、菌糸の再生に巻かれたように見えます。あくまで推測ですけど。残るはカワラ3個体・マット2個体です。ちょっと危うい個体数になってきましたね。

→その後、マット飼育していた2個体は相次いでお亡くなりになりました。2個体ともマットの上に出てきていました。再発酵したのかなぁ。残るはカワラ飼育の3個体だけです。
2008.02.24追記
割り出しから5ヵ月半で♀が羽化しました。早いですね。温度は大体26℃を維持しました(下の2♂も同様)。この個体は480ccのカワラカップ3個目に投入したとたん蛹化しました。3個消費して♀かよ…とガッカリ。

現在、羽化後1ヵ月半経過しました。後食を開始したようです。
♀から遅れること約1ヶ月、♂が羽化しました。480ccカワラカップ×2で、体長40mmでした。蛹の時に前脚が傷んでしまいました(泣)。無事羽化してくれただけでもありがたいですけどね。
こちらは蛹室を作り始めてから蛹化するまでの期間だけ18℃にした♂。大顎の形に変化が見られるかなと思ったのですが、効果あったのでしょうかね?なんとも微妙です。蛹室を作り始めた時期は上の個体より早かったのですが、羽化したのはほぼ同時でした。こちらも480ccカワラカップ×2で、体長は41mm。次世代ではもうちょっと大きく育てたいです。

<続く>