Prosopocoilus dissimilis elegans
トカラノコギリ
トカラ列島・悪石島
CB

キャプテンからの頂き物&オークション

赤い色が美しい離島のノコ。普通のノコにも赤い個体がいるけれども、実際見てみるとトカラの赤は全然違いました。赤というよりオレンジかも。本種は国産ノコよりも容易に大型化するそうなので、ぜひとも大きく育ってほしい。
キャプテンからペアでいただいたのですが、交尾を確認できないまま♂が死亡。そのためオークションでペアを追加購入して1♂2♀体制で繁殖にチャレンジ。 いずれの個体も後食済みだったのでいつものミズゴケ入りケースでペアリングさせました。
日中はミズゴケに潜っていましたが、暗くなると交尾していることが多かったです。大体1週間同居させ、その後次の♀も同様に1週間同居させました。
2♀ともほぼ同じケージを組みました。産卵用ケージはいつもの100均ケースです。底3cmくらい固詰めし、ビプラギと同じく樫の木の芯を置いてマットで完全に埋めました。マットは「KUROSHIO」のアンテマットを1.6mmのフルイにかけたものです。これを26℃前後で管理。
27日後、片方の♀のケージの底に見えていた卵が孵化し始めていましたので割り出しました。
その結果、1齢幼虫18個体に卵51個を回収できました。久しぶりの爆産でアドレナリン出まくりでした。回収した卵・幼虫は60ccカップに投入しました。

一方、もう片方の♀のケージは、ケース底に産卵は確認できたものの、何故か孵化する前に腐っていくばかりで結局ボーズでした。
爆産してくれた♀はそれほど軽くなっている感じはしませんでした。しかしあれほど多くの卵を産んだあとですから確実に消耗しているでしょう。そこでたまたま貰うことができた「へぼ」の蛹を与えてみたところガッチリくわえて離しません。その後2時間ぐらいチューチューしてました。へぼとは長野〜岐阜〜愛知で食用にされるクロスズメバチのことです。高タンパクなので産後の回復にはもってこいでしょう。この後もう1個の蛹を完食。

もう十分すぎるほど卵および幼虫は採れていましたが、予想以上に食いつきが良かったへぼの効果について知りたくなったのでもう1回産卵させることにしました。産卵に用いたケージは前回と同じです。

そして ♀を投入して32日後に割り出してみると、1齢幼虫20個体に卵5個を回収できました。へぼパワーか?? しかし、合計は惜しくも3桁に届かず…と思いきや前回回収したものには1つの60ccカップから幼虫2個体が出てくるものが結構ありました。この分を含めると3桁は達成できていたようです。ちょっとうれしい。

2009.07.02追記
その後、暖房無しの常温環境下に置くグループ(おそらく最低で15℃ぐらい)と、暖房ありの部屋の一番冷えるところに置くグループ)最低で21℃)に分けました。前者は冬季成長が止まっていたようで、暖かくなった現在もまだ幼虫ですが、後者は暖かくなってから徐々に蛹化・羽化し始めました。ですが、羽化する個体は♀ばかり。現在、成虫・蛹あわせてで3♂14♀です。最低温度15℃の方はまだ幼虫ですが、性別をみたところ1♂7♀(その後、2♂6♀であることが判明)でした。♀多過ぎ。これで休眠ズレでも起きようものなら、泣きます。
貴重な♂。この個体は2齢で割り出した後、発酵マットを詰めた860ccカップに投入。最低温が21℃の環境にて860ccカップに投入後241日で羽化しました。ボディーの一部はまだ黄色ですね。羽化したては実に美しい…。

2009.12.26追記
その後、♀のうち約2/3が短い休眠を経て活動を開始しました。一方、♂は全て長い休眠に突入してしまったようです。現在手元には♂5♀8が室温にて休眠しています。ブリードは来年に持越しですね。

<続く>