Prosopocoilus confucius
コンフキウスノコギリ
中国・福建省
♂F4×♀F2
 

一度は羽化ズレによりブリードをあきらめたが、結局あきらめきれずブリード再開。

当時手元にいたのは、前回のブリードにて羽化してきた♂1個体のみ。そのため♀成虫を購入。福建省産はなかなか見つからず苦労しました。この♀は羽化後1ヶ月ほど経過していましたが、未後食でした。

一方、♂は後食開始後1ヶ月以上経過していましたので、♀の後食&成熟待ちといった状況の中…
♂が死亡。この後まもなくして♀が餌を食べ始めました。むなしすぎる…。

今度は♂成虫を探すというダメスパイラルに突入しました。前述の通り福建産の♂はなかなか見つからりませんでしたが♂の死から約10ヵ月経過後によ〜〜やく後食を開始している♂を入手できました。この時点で♀は羽化後1年2ヶ月が経過していましたが、つかまる力も強くて元気でした。繁殖してない個体は長生きするっていうのを実感。

即効でペアリングさせるも、♂が落ち着かないためその日は交尾に至らず。そのままミズゴケを敷いた100均ケージにて放置しました。

次の日見てみると、エサを食べる♀を見守るような感じで♂がいました。これはいい感じですねー。念のため1週間同居させました。
産卵ケージはスペンスに用いたものと同じくダイソーのタッパーです。底3cmくらい固詰めし、その上に半割したコナラ材を置いてマットで完全に埋めました。マットは1.6mmのフルイにかけたアンテマットです。これを大体24〜28℃で管理。
29日後割り出してみると、マットから1齢幼虫が1個体、材の表面から卵が2個出てきました。ちょっと早すぎたようなので、材割りは中止してそのまま埋め戻しました。

ちなみに、 この2卵は孵らず…。

19日後、底に幼虫が見えていたので割り出してみました。その結果、マットから2齢幼虫3個体、1齢幼虫3個体を回収できました。材からは卵が出てきそうに思えたので今回もはそのまま埋め戻しました。

この割り出しから1ヶ月後、♀が地表に出てきていました。持ち上げてみると驚くほど軽くなっていました。これはもう産卵できないだろうと判断し、♀を回収&割り出しを行いました。その結果、マットと材から9
個体の幼虫を回収できました。これで回収できた幼虫は16個体。

幼虫は発酵マットを詰めた860ccのカップで飼育しています。温度はちょっと高めの27℃前後で維持。ある程度大きくなったら室温飼育に移行する予定です。

2009.07.02追記
3齢になった後♂♀判別し、羽化ズレを防ぐため♀はかなり寒いところに置いておきました。その後春が来て、気付いたら全個体蛹室を作っていました。早めに手を打って置けばもう少し幼虫期間を引っ張れたかもしれませんが、後の祭りです。先代は1年以上の羽化ズレでも立派に子を残しましたので大丈夫だとは思いますけど。
今回羽化した♀のうちの最大個体で、45mmほど。2齢で割り出して発酵マット + 860ccプリンカップで交換無し、常温飼育です。割り出し後251日で羽化しました。他の♀成虫の飼育条件・羽化までの期間もほぼ同様でした。

これは蛹化した♀が入っていた860ccプリンカップです。おそらく蛹化前にかじったと思われます。この事態に気付いたときには蛹室を作り始めていたので、カップの交換はできずカップを2重にして対応しました。本種の飼育にカップは不向きかもしれません。
♀は次々に羽化して、現在4♀になりました。羽化した♀成虫は26℃前後で管理し、羽化後1ヶ月ほどで後食開始しました。

一方、 ♂は大型化を狙う3個体のみ19℃で飼育し、その他の♂はとりあえずペアリング用にと26℃前後で飼育しています。26℃で飼育している♂は近日中に蛹化しそうですので、無事に羽化すればペアリングはできるかと思います。
2009.09.06追記
26℃で管理していた♂が羽化してきました。大きさは親とほぼ同じの80mm台です。2〜3ペアは取れそうです。

以前書いたとおり、♂親は横から見えるような標本にしました。大顎のカーブがいいですね〜。ケースはダイソーで売ってました。

<続く>