◆ヨーロッパイエコオロギの飼育◆

 ヨーロッパイエコオロギは肉食性の昆虫や爬虫・両生類、魚類などの餌としてポピュラーな昆虫です。飼育は見よう見まねで始まりましたが、約1年飼い続けたことによりそれなりに殖やせるようになりました。(←んなもん誰だって殖やせるよ!と思われるかもしれませんが…) ここではどんな風に飼っていたのかを簡潔にご紹介します。ほどほどの達成感を得たため現在は飼っていません。


数少ない消費者の1員だったモリアオ
TWO-Pは特別コオロギを欲する生き物を飼ってたわけじゃないです。では何で飼育してたのかというと、「楽しかったから」です。飼育し始めのころはたいして殖やせなかったのですが、いろいろ試してみてちょっとずつ改善されていく過程そのものが面白かったです。
 

野菜の中ではキャベツが一番コストが低かった
米粒大の幼虫〜成虫の飼育環境
・ケージ
衣装ケース + 足場として紙製卵トレイ

・環境
温度は27℃以上が望ましい。それ以下だと産まない・孵らない・育たない、で歩留まりが悪かったです。フタしてなかったのでかなり乾燥気味。湿度が高いとエサがカビました。

・餌
タンパク源としてドッグorキャットフード、水気としてキャベツ。キャベツをきらすとあっさり死にました。水気は湿らせた脱脂綿でも与えられたが、そこに卵を産む奴がいるのでやめた。

糞がたまってきたらケージを傾けて一箇所に集め、カップですくって捨ててました。
 

いろいろ試した末に行き着いたのがコレ
・産卵床
フタに大きな穴を開けたプリンカップに湿らせたハイドロボール(小粒)を入れたもの。この「穴が開いたフタ」はコオロギがハイドロを蹴り飛ばして外にこぼしてしまうのを防ぐためのものです。産卵床はなるべくこまめに回収し、そのつど新しい産卵床をケージ内に入れました。 こうすることで産卵床に糞(カビの発生源)が混入することを抑えることができるし、1つの産卵床から一斉に孵化してくれるので管理が楽だった。
 

回収日を書いておくと便利でした
回収後は針で穴を多数空けたフタに交換して孵化を待ちました。気温にもよりますが、10日〜20日で孵化します。しかし、出てくるのがコオロギの幼虫だけとは限りません。たまに変な蟲が湧きました。(クリックで拡大)

左:ご存知メラノガスター
右:メラノより小さい謎の蟲。縦に連結したまま歩行する。
 

 

落ちない奴もいますが無視して落ちた奴だけ育てました
孵化した幼虫は産卵床と分けた方がその後の管理が楽でした。分けるには写真のようにフタを外した産卵床を大き目のタッパーに置き、タッパーを持ち上げて机にバンバン叩きつけます。こうするとビビッてジャンプした幼虫が下のタッパーに落ちてくれるという寸法です。ある程度落ちてくれたら産卵床にフタをして取り出し、タッパーを傾けて幼虫を1箇所に集めたのち幼虫用のケージにザザーと流し入れます。

使い終わった産卵床のハイドロボールは漂白・水洗後に乾燥させて再利用してました。
 

テトラフィンが食いつき・コストの点で良かった
孵化した幼虫の飼育環境
・ケージ
深めのCDケース + 足場にダンボール

・環境
やはり27℃以上・乾燥気味が調子いい。

・エサ
キャベツ + すりつぶしたテトラフィン(テトラ社の金魚用飼料)
※テトラフィンはシケると嗜好性が落ちるのでなるべく食べ残さないぐらいの量をこまめに与えた。

このケージを4〜6個使い、ケージごとに成長段階が揃うように努めました。ケージ内の個体が米粒大まで成長したら親と同じケージに移しました。湿度を低めに保てばここまで掃除なしでOKです。米粒大まで育てばドッグフードでもしっかり育ってくれるようです。