〜ミステリークレイフィッシュ(Procambarus SP.)〜

単為生殖で殖える不思議なザリガニなのでミステリークレイフィッシュと言われています。英名はマーブルクレイフィッシュです。このザリガニはドイツのペットルートから紹介された種らしいのですが、正確な源産地はわかっていないそうです。北米原産のProcambarus fallax と遺伝的に近縁であるという報告があります。

大体TL6cmぐらいになると抱卵します。早い個体だとTL3cmくらいで抱卵することもあり、ちゃんと孵化まで至りました。写真は産卵直後なので白いモヤモヤしたものが卵に付着しています。正常な卵は黒色で、死んだ卵は白くなるようです。

抱卵中はほとんどシェルターから出てきません。エサは暗くなってから食べているようですが、あまりエサを欲しがらないのでやらなくてもOKだと思います。その後、この個体は外掛け式フィルターの吸水パイプを伝って脱走して死亡してしまいました。外掛け式フィルターを使用する場合は、完全に脱走経路をふさぐ必要があると思われます。

2006.02.19追記:『Krebse im Aquarium』という本に水質が酸性だと体色が青くなる??と書いてありました(ちなみにTWO-Pはドイツ語に関しては超絶素人)。この写真の個体は塩酸処理した大磯砂で飼育していたので水質が若干酸性に傾き、その結果この体色になった……?のかも。

抱卵後、約1ヶ月で一人歩きする稚ザリを確認できます。稚ザリには粉末にした人工飼料を与えて育てています。

2006.02.05追記:この時生まれた子供のうち、最も成長が速かった個体が孵化後120日で抱卵しましたが、抱卵後2日目で落卵してしまいました。エアレーションしてあげれば今回の事態は防げたかも‥と後悔しております(T.T)。なお、抱卵時のTLは5cmくらいでした。

このザリガニは水の汚れにも強く、低温にも耐えられます。その上、単為生殖という繁殖システムであるため、例え1匹でも野外に放たれたならば野生化してしまう可能性は高いと思われます。本種が野生化した場合、日本の生態系に大きなダメージを与える可能性を秘めています。

そのため、殖えすぎて飼いきれなくなったなどの理由で処分に困ったとしても、絶対に放流してはいけません!!

処分に困ったら、近くのペットショップに相談して引き取ってもらうのがよいと思います。

2007.10.20追記
残念なことに今年の初めにマダガスカルにて本種の野生化が確認されたようです。奇しくもマダガスカルにて本種の危険性が立証されてしまったということでしょうか。ご存知のようにマダガスカルは独自の生物層を有しており、本種の侵入により生態系が撹乱されないことを願うばかりです。(参考サイト Invasive crayfish…以下)



水槽データ

水槽200x200x200(h)
ろ過Tetra:ワンタッチフィルターOT-30+スポンジろ材+観葉植物 を底面フィルター(NISSOバイオフィルター)に直結
照明15Wのデスクスタンド
底砂大磯砂(細目)
水温室温任せ
水草なし
エサ ひかりクレストキャット、らんちゅうベビーゴールド、テトラコリドラス、ひかりクレストプレコ等
換水週1回全水量の1/3くらい